忙しい仕事からすぐに逃げる先輩

数年前、病院で医療事務の仕事をしていました。その時に同じ部署にいた先輩の行動が、どうしても納得できませんでした。

総合病院に医療事務のパートとして勤め始めました。3日程色々な部署で研修をした後、最終的に人員不足だった内科のクラークとして配属されました。内科は、他の部署より患者数が多く、1日中とにかく忙しい部署です。フルパートだった私は、朝から晩までずっと立ちっぱなしの仕事に慣れるのに、1週間以上かかりました。

しかし、そんな忙しい中でも、業務を丁寧に教えてくれる内科のリーダーがいたので、スムーズに仕事を覚えることができました。5歳年下の独身女性だったのですが、すでに5年のキャリアがある大先輩でした。内科のかなりハードな仕事をテキパキとこなし、とにかく頼もしく思えました。なぜか内科の部署内では一番年下なのに、とても貫禄がありました。やはり、仕事がそれだけできるということで、皆から尊敬されている感じでした。そんなイメージがあったため、こんなできる人の傍で働けて、こちらとしてもスキルアップできそうだと思っていました。しかしそのイメージは、すぐに崩れ去ることとなったのです。

実は、彼女は忙しくなると、すぐどこかに雲隠れするクセがありました。診察が行われる午前中の内科は、大勢の患者さんの対応で戦場のようになります。しかし、そんな忙しい状態なのにも関わらず、ふと気づくとリーダーがいないのです。いないことに気づくのですが、それどころじゃない程忙しいので、どこにいったわからないままのことが多かったです。また、午後になっても、気づくと内科の部屋からいなくなっていることが多いです。午後は診察が落ち着いてくるので、比較的ゆったりした雰囲気になります。とは言っても、カルテ準備などでやることは山積みです。それなのに、気づくとリーダーがいないのです。面倒な作業から逃げるようにどこかに行ってしまうのです。

さすがに、それには文句を言いたくなりました。自分だけ、忙しい仕事から逃げるなんてズルイと思ったのです。完全に仕事を他の人に押し付けている形になっていました。しかし、まだ新人という立場だったことから、そのことについて文句を言えませんでした。しかも、他の部署の人はこのことを知らないので、リーダーのことを出来る人だと思っています。そのため、他の部署の人や上司からの信頼は厚いのが、余計に言い出しにくくしていました。

ですが、内心、これには本当に納得できませんでした。確かに仕事は出来ますが、忙しくなったり面倒になったりすると、すぐどこかに逃げてしまうのは、本当に仕事が出来る人とは思えません。それに文句を言えない、内科のメンバー内の関係もおかしいと感じました。そう思いつつも結局、1年後部署異動になったので、そのことについて触れないままとなりました。また、さらに数年後には退職したので、その後どうなったのかは知りません。もしかすると、今でも不満を持ちながら、そのリーダーの下で働いている方がいるのかもしれません。